源氏物語を古活字版で親しむ。不揃いながらも『五十帖』を印刷、和本づくり
伝嵯峨本源氏物語は元和本と並んで古活字版のひとつで本阿弥流の書体で角倉素庵が出版したとされる。国会図書館デジタルコレクションではこの『五十四帖』を平成二十六年にインターネット公開いています。
偲古庵の『五十四帖』
- 国会図書館デジタルコレクションから一括自動印刷ダウンロード
- 料紙は半紙:薄い和紙や半紙は市販のプリンターでは詰まって印刷できませんが、工夫をすることで印刷が可能なります。 歩留まり99%以上を可能としています。 因みに使用する半紙の単価は@1.6円です。(環境負荷の面でも和紙は単に趣味の世界に止まらない大きな将来性を持っていると思います)
- プリンターに通りのより良いわら半紙を次善の素紙としています
- 廉価な藍染手漉き和紙の表紙、和綴じと無線綴じ:標準の糸綴じの他に実用的な無線綴じも紹介しています
「折込式」
巻物や折帖の様に連続した文面を冊子において可能にしました。全頁、袋とじの片方が喉元で切ってあり、袋とじを開くことにより連面となります。袋綴じの左開きと右開きがあります。
漢数字でのページ番号
番号表示のない古典籍の自動印刷では後付でナンバーリングしました。
(ゼロ表記〇を使った漢数字)
綴じ代面の補強:綴じ糸にボードを挿入して角ばかりではなく綴じ代面全体を補強しました。必要に応じて背表紙に題箋の挿入を可能に
不揃いについて
和紙や半紙をプリンターの通すとインクづれやかすれなどが多少とも生じます。かすれて読めない箇所があったとしても“原稿”は絶えず手元のネットの中にあるわけですですから、自動を中断して再印刷はなるべく避けています。この『五十四帖』の不揃いは、いわゆる量販出版物ではない手づくりの証左と見て頂ければと思います。